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おらの天使が日本人になっちまっただ…! 00:14
 突然ですが「トーマの心臓」に登場するユリスモールほどマブいキャラを私は知りません。
俺の嫁とか、綺麗とか、可愛いとか、かっこいいとかじゃなくて「マブい」。
そんなユーリが小説版で現代によみがえったよ!って聞いたら中身を確かめもせずにホイホイ買ってしまうのは、キャラ厨として仕方の無い事なのです…
というわけで森博嗣の小説版「トーマの心臓」を買って移動中にちょこちょこ読んでました。

しかし、しかし…

                    \(^o^)/

うみねこで言うなら最悪のカケラを観せられた気分です。以下が衝撃の森設定↓と感想(長い)



・舞台が日本の理系男子校(多分、大正時代くらい)
・みんなの年齢が17〜8歳
・「ユーリ」や「トーマ」は本名ではなく渾名である。衝撃のセンス
 ってことは本名「百合衛門」とか「戸間蔵」とか「衛陸ノ助」とかそんな…!?え!?
・エーリクがユーリを好きになることなく、ユーリは神学校に行ってまう
・オスカーはドイツ人と日本人のハーフ
・ワーグナ教授って誰
・ユーリのご両親が健在。お父さん地方議員
ユーリから南の国の花の香りがしない

語り手はオスカーなんですが(まずここに安易さを感じる)「ユーリマジ天使」(※意訳)「ユーリマジ天使」ばっかりで原作のオスカーのかっこよさはどこに…って感じでした。
突っ込みどころも多いですよね。いくら大正時代だからって、17、8歳の健全な男子が「ユーリマジ天使」とか、下級生をして「かわいかった」「きれいだった」「ブロマイドよこせ」はないでしょうよ。動物園デートもないよ。そんな世界はBLでしか存在しない。
南の国もー…日本設定だと九州男児かうみんちゅになってしまい、ユーリがそんな健康的で大丈夫か?になってしまうので端折られたようです。いいじゃない、沖縄。

原作は二次元の萌え女子クラスに現実離れしている美しい世界なので、そこでユーリが紡ぐ言葉も思いもその世界のものとして納得できるのです。それが原作トーマの素晴らしさだと思うし、これからも不朽の名作たり得る要素の一つだと思います。
だから、エーリクを皆がクラスのヒロインのごとく姫君って言いまくるシーンも、「トーマですから」で全てすとんと落ち着きます。

でも、こちらは中途半端に設定をねじ曲げたせいで、登場人物の言動のすべてなんだかちぐはぐです。これも、原作信者だから言える事ですが…。
美しさもなんだかうすっぺらく、ユーリの刺々しさだけがクローズアップされて、エーリクの小悪魔性はわかりますがもっと少年らしいかわいらしさ、強さがあったはず…ってなります。

著者は少女漫画ファンで、当然この作品のファンでもあるらしいのですが、ファンなら何故こんな作品を書いたのかわかりません。
「物語の本質を描いた」そうなんですが、原作に愛があっても、この小説にトーマの本質が全く視えませんでした。友人のためのオスカー頑張り物語?
私に教養がないせいだったらもうしょうがないんですけど。

それ以前に、森さんはこれを何も知らずに読んだ原作ファンがどう思うか考えなかったんでしょうか。
私だったら、大好きな作品の一番重要な人物達の世界観を自分流に書き換えたオリジナルの作品を歓迎してもらえるなんて、とても考えませんが。
オスカーを救ったのがユーリだったんだねっていうのは、この小説であらたにわかったところで、そこだけは良かったのです。
あと、時々ハッとする表現があって、そこも大変良かったのです。これがトーマの心臓じゃなくて、オマージュ作品だったらよかったのに…という感想でした。

で、あまりに辛かったので原作を読み返しました。
ユーリに翻弄されて原稿が進みませんでした。
アウアーーーーマブいよおおーーーーーー歳を重ねるごとにエロくなってないですかそうか私の目が汚れておるからですねすみません!!!
エーリクにたいしてとった行動のどれもがトーマを重ねての事だったら、どんだけ好きだったのか想像するだけで胸が痛い。
宗教的な面でいうと、自分の欲望をおさえきれず信仰を否定した罪を トーマが死ぬ事で購った、みたいな解釈をよく拝見しますが、キリスト教は余り詳しくないのでそこは詳しい方にまかせるとして、恋愛的な側面だと、ようするに「プラトニックで好きなはずだったのに性的な対象にしてごめん」と悶々としてたのかな、ユーリは?「煙草を押し付ける夢さえ見たんだ」というあたりも尋常じゃないですね。すごく…エロスです……もっとフランスの男子校を見習っていいのよ。みんなユーリに萌えているのに……

悩むユーリも解放されたユーリも悩ましいですがうざめなユーリにも会いたくなったのでその流れで「11月のギムナジウム」も読みました。
この作品はオスカーがちょっとやな奴で笑 そしてフリーデル(ユーリ)が天使っぽさのカケラも無くて良いです。
『あの子は香料入り砂糖菓子だもの 食べたらさぞかしおいしいだろ』とかもう、発想が健全すぎて安心の委員長。とあるシーンでは「トーマよりお前が大丈夫か」と言いたくなりますが、そんなユーリの原型がどうしてこうなった。最早分け目変えただけってレベルじゃない。劇的ビフォアフターすぎて…なんということでしょうも…出ぬわ……

まとまりがありませんが、あの時代に描かれたトーマの心臓が大好きです。とこういうことなのです。萌え方面に走ってしまいましたがちゃんと物語としても咀嚼していますから怒らないでください><

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